2025年度の福岡未踏修了生である北島 琉斗さんが、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する「2026年度未踏ターゲット事業」に採択されました!
福岡未踏での実践的な開発経験を糧に、国の最先端プロジェクトへと見事にステップアップを果たされたこと、事務局およびPM・メンター陣一同、心よりお祝い申し上げます。
採択プロジェクトの概要
・採択クリエータ:北島 琉斗(九州大学 大学院システム情報科学府 情報理工学専攻)
・担当PM:河合 祐司(大阪大学 先導的学際研究機構 准教授)
・採択事業:2026年度未踏ターゲット事業 (リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)
・プロジェクト名:リザバーコンピューティングを活用したAI認証システムの開発
・プロジェクト概要:本プロジェクトでは、コンピュータの操作主体が攻撃者へ切り替わるセッション乗っ取りを早期に検知するため、リザバーコンピューティング(RC)を活用した継続的な行動バイオメトリクス認証基盤を開発する。 既存の顔認証・指紋認証・多要素認証はログイン時点の本人確認には有効だが、認証突破後に「今操作している主体が正当か」を継続的に保証する仕組みとしては不十分である。キーストロークダイナミクスを用いた継続認証は深層学習による高精度化が進んでいるが、端末上での常時推論に伴う計算負荷・電力消費・クラウド集約型設計のプライバシーリスクが課題となっている。一方、RCはネットワーク侵入検知など一部のセキュリティ領域への応用が報告されているものの、行動バイオメトリクスによる継続認証への応用はほとんど進んでおらず、この領域には開拓の余地が大きいと考える。 本提案では、RCの軽量性を活かし、キーストローク時系列やマウストラッキング、センサ入力を端末内で逐次処理して本人らしさをスコア化し、スコアの連続的低下時のみ追加認証を要求する段階制御により、通常時の利便性を保ちつつ防御強度を高めることを目指す。 期待される効果として、深層学習の常時稼働で課題となりやすい計算負荷・電力消費を抑えた低遅延の常時認証、オンデバイス完結による生体・行動データの非外部送信、乗っ取り検知遅延の数秒オーダー化、エッジでの個人に合わせた再学習が考えられる。 本プロジェクトはRCとサイバーセキュリティの融合領域に継続認証の実装系を提示し、宇宙開発・医療機器・産業用ロボット・重要インフラ等の高リスク環境への展開を目指す。
・採択理由:リザバーコンピューティングを用いて、タイピングの時系列などの動的な情報から個人の認証システムを開発する挑戦的な提案であり、革新的な認証システム開発が期待される。従来の指紋などを用いた静的な認証システムに加え、本提案の動的な認証システムを扱うことで、継続的・逐次的にセキュリティを高められると考えられる。本提案システムでどれだけ高精度に個人認証が可能か検討するとともに、従来の認証システムと組み合わせた場合のシステムの全体像(例えば、多段階認証)も検討してほしい。
■ 参考リンク 2026年度未踏ターゲット事業(リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要(北島PJ) | デジタル人材の育成 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/target/2026-reservoir/gaiyou-kj-1.html
福岡未踏での活動について
北島さんは、2025年度の「課題解決コース(Solve)」において、株式会社セキュアサイクル様から提供されたサイバーセキュリティに関する課題に対し、個人で「NNAST:GNN+LLM型脆弱性診断ツール」の開発に取り組みました。
既存の自動診断ツールが様々ある中で、AIを用いた新しい機能実装に意欲的に取り組み、メンター陣や他の参加者からの意見を柔軟に吸収しながらプログラム制作を進めたその姿勢は、担当した服部祐一PM(株式会社セキュアサイクル 代表取締役)からも高く評価されました。
スポンサー企業様から提供されたリアルなセキュリティ課題に泥臭く向き合ったSolveでの実践経験が、今回の「未踏ターゲット」というより高度で専門的な領域への挑戦の確かな土台となっています。
福岡未踏は、今後も地域から世界を驚かせる才能を発掘・育成し、彼らが次の大きなステージへと羽ばたいていけるエコシステムの構築を目指してまいります。北島さんの今後のさらなるご活躍を期待しています!
🎊 北島さんからのメッセージ
「福岡未踏では、PM・メンター陣の手厚いご指導のおかげで、アイデアを形にする力を高めることができました。一方で、開発を進める中で、顧客視点や実際の利用シーンへの解像度がまだ十分ではないという、自分自身の課題も感じました。今回の未踏ターゲットではその反省から、研究性と社会実装の両方を意識して開発を進めていきたいです。」
■ 2026年度 クリエータ募集中!
福岡未踏では、現在2026年度の挑戦者を募集しています。 詳しくは、以下の募集要項をご覧ください。 https://mitou-fukuoka.org/koubo/

